「アクアポリン」は300前後のアミノ酸から成る比較的小さな膜たんぱく質で、水だけを通過させるという特殊なを性質を持っています。このたんぱく質は生物科学界に大きなインパクトを与え、発見者のピーター・アグリ教授(ジョンズ・ホプキンス大学医学部:当時)には、2003年ノーベル化学賞が送られています。
アクアポリンの主な特徴は
・水だけを選択的に通過させる膜蛋白の通路を持つ特殊なタンパク質
・飲んだ水はアクアポリンを通し、細胞内へ運搬される
・血管を流れる水分や尿からの再吸収もこのアクアポリンが機能している
・細胞の体積変化に役立つ
などですが、生物に広く存在し、生命現象と深くかかわる多種多様な機能を担っていると考えられています。またお肌のうるおい、張り、むくみ、老化などにも影響を与えることが、最近のあらゆる研究から解明されつつあります。
すでに、このアクアポリンを取り入れた化粧品は、各メーカーで研究されており、商品化も行われています。美容業界でも期待の大きい新成分なのです。
近年、ドライアイ研究によって、その存在が明らかになったアクアポリンですが、お肌の内部でも重要な働きを果しているということがわかってきたのです。例えば昔から美肌やむくみに効くとされてきたハーブの一種、「ウォータークレス(クレソン)」には、肌内の「アクアポリン」を増やす働きがあることが報告されています。
つまり、「アクアポリン」を多く含んでいれば、美肌効果が期待できるということです。肌内のアクアポリンを増やし、効果的に水をめぐらせることで、水分調節機能をあげることができるわけです。
うるおいのあるお肌は、若々しさを保つには欠かせない条件です。お肌のうるおいがが保たれているのは、皮膚の細胞膜に大量のアクアポリンがあるからです。お肌に水分がまんべんなく行き渡り、さらに吸収力が高まるような「アクアポリン」化粧品が、どんどん開発されて欲しいものです。
「アクアポリン」は、腎臓、消化管、目、皮膚、脳、体中の細胞にも存在しています。しかし、そのアクアポリンの働きに異常が生じると、いろいろな病気を引き起こすこともわかってきています。
そのひとつがドライアイで、それを改善する研究が「アクアポリン」発見のきっかけを作ったのです。
また、他にもアクアポリンの変異が原因と思われる「遺伝性の尿崩症」「先天性白内障」「シェーングレン症候群」といった症例が見つかっています。さらにごくわずかですが、普段は健康体でありながら、体の水分量が
少なくなったときに再吸収する能力が低いタイプの人もいるようです。
現在も「アクアポリン」にかんする研究は、日本のみならず海外でも精力的に行われています。美容分野での研究もさらに進むことでしょう。